やさしい気持ちになる絵本 ぐりとぐら

児童文学作家の中川李枝子さんが2024年10月14日にご逝去されました。満89歳。
心よりご冥福をお祈りいたします。

中川さんといえば、妹の山脇百合子さんと手掛けられた
「ぐりとぐら」シリーズが有名ですよね。
中川さんが文章を、山脇さんが絵を担当されています。

僕の家族も全員好きで、息子のために買った絵本はまだ残しています。

そして今から10年前の2014年、東京の銀座松屋で開催された
「誕生50周年記念 ぐりとぐら展」に行ったのを思い出しました。

図録がこれ

知らなかったことや、共感することがたくさん書かれているのですが、
抜粋して2点ご紹介したいと思います。

ねずみの色の秘密

ぐりとぐらのねずみの体の色がオレンジなのは、なぜかご存知でしょうか?
これは、山脇さんがねずみをモチーフにするにあたり、実物を見て
スケッチしたいと思い、国立科学博物館で野ねずみの標本を見せて
もらった際に、実際にオレンジ色のねずみの標本があったそう。
ねずみは灰色だと思っていたけど、オレンジ色もあるとわかって、
あの色になったそう。
子どもに見せるものだから、想像ではなく本物を見てという
姿勢がとても共感します。

やさしい絵の秘密

「ぐりとぐら」の絵を見ると、やさしくて温かい気持ちになりませんか?

この図録には、中川さんと宮崎駿さんの対談も掲載されているのですが
その中に、宮崎さんが絵に関して、このようなコメントをされています。

「邪念のない絵」
・・・こういう邪念のない絵っていうのは、どうしていいかわからない。
デッサンが狂ってるとか狂っていないとかそういうのはどうでも
いいんです。本当にこの子がかわいいと思って描いている絵なんです。
・・・どこにいくかわからないで描かれた線を見ると、胸を打たれるん
です。

絵を見て、やさしくて温かい気持ちになる理由は、描く人の気持ちや
性格が自ずと線や絵に出てくるからなのかもしれませんね。

表現方法は違えど、自分にも置き換えて考えてみる気付きを与えてくれました。

テキスト:店主 ナカムラ

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